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株式会社ICSパートナーズ (記事の時点ではアイシーエス販売株式会社) 
「めまぐるしく変わる財務会計制度 急速な制度の変化に対応する専門家集団」
 (2005年 WEDGE 2月号掲載)
 
従来は自社開発が主流だった財務会計システムに、カスタマイズ不要のパッケージシステムを導入する企業が増えている。法律や税制の急速な変化に迅速に対応できるのが大きな理由だ。

今回紹介するアイシーエス販売株式会社は、中堅およびその上位企業向け会計パッケージソフトベンダー。会計事務所用の会計オフコン専門メーカーから独立した、まさに財務会計のプロ集団だ。主力の「INPACT OPEN21」シリーズなど、会計事務所で培ったノウハウを活かした製品は、企業財務の現場から絶大な信頼を得ている。日々の経理業務を経営戦略に導くICS製品を支えているのがアイエニウェア・ソリューションズのデータベースエンジンである。
 
●経理の専門家と対等に話ができるから選ばれる
 
アイシーエス販売株式会社(以下、ICS販売)が大きな市場シェアを獲得するきっかけになったのは、1985年に発表したOCR対応財務会計システムである。手書き伝票をスキャンするだけで入力できる手軽さがユーザーに高く指示された。1992年にはチェックライタープリンター内臓の新手形発行装置「BRT」で実用新案を取得、中堅・大手企業向け市場との接点もできた。1996年には、それまでのオフコンベースのシステムから、時代に先がけてWindows NT対応の「INPACT OPEN21」を発表し、おりしも1997年の消費税導入に向けて、新会計システムを導入していた数多くの企業に採用された。さらに、Windows2000ターミナルサーバーと会計パッケージの連携でネットワーク型会計システムを確立し、これが2000年の会計ビッグバンに対応したグループ企業会計システムとして大手企業グループに続々採用されることになる。
「経理部門の現場からの指示が非常に高いのが当社の特徴です。財務会計の専門家であるエンドユーザーときちんと話が通じるので、『安心して、短期間で導入できるところを探していたが、結局ICSが一番ニーズをわかってくれる』ということで選んでくださるお客様が多数いらっしゃいます」(ICS販売株式会社 常務取締役 菅原修三氏)。
 ICS販売では、プリセールスのプレゼンテーションから本番稼動まで、営業部門とシステムサポート部門が一体となって行うため、部門を問わず財務会計の高いスキルが必要となる。社員には入社一年以内に日商簿記の資格を取得することが推奨されていたり、税制についての知識を試すテストが定期的に社内で実施されていたりと、常に財務会計のプロとしての知識を身につけることが求められている。
「企業の情報システム部門の担当者の中には、会計システムは帳票さえ確実に出せればいいと思っている方も多いのですが、それでは現場にとって使いやすいシステムにはなりません。入力や決算というプロセスが何よりも大事。そこに、会計専門の我々のノウハウが生きるのです」(菅原氏)。OCR入力や、コード表を見なくても画面上で五十音順の表から仕訳科目を入力できる「画面セレクション」の機能など、今ではあたりまえになっている入力メソッドも、もとはユーザーの要望に基づいてICSで考案し、開発した機能である。さらに最新版のパッケージでは、毎月発生する家賃や水道光熱費などの科目を自動的に仕訳する「定型仕訳機能」の実装で、さらなる入力業務の省力化を図っている。
 
 
●制度の変更とネットワーク対応でパッケージ導入進む会計業務
 
ICS販売がターゲットとしている顧客は、中堅から大手企業である。「大規模な統合型ERPパッケージを導入するほどの規模ではないが、量販店で箱売りされている財務会計パッケージソフトでは物足りないという企業が我々のお客様になります。日本の総企業数は約180万社ですが、そのうちの中堅とその上位約5万社が当社のターゲットになり得ると考えています」(菅原氏)。
 従来、この規模の企業では、社内の会計ルールに基づいた財務会計システムを自社開発スルケースが主流だった。しかし、会計基準や税法・商法などの制度変更が相次ぎ、経済のグローバル化にともなってビジネスルールそのものがダイナミックに変化していく昨今は、カスタマイズを必要としないパッケージシステムへの移行が進んでいる。
 もう一つのトレンドは、ネットワーク化と他システムとの連動への対応だ。通信技術の進歩によるネットワークの大容量化、低価格化によって、システムの運用も一ヵ所のセンターに伝票を集める集中処理から、遠隔地から分散入力する分散処理へと変化している。また、会計業務以外の基幹系業務システムとの共通インターフェイスを構築し、データの共有化や二重入力の削減を図るトータルシステムが主流となっている。
 グループ企業においては、連結決算への対応を目的として、グループ全体で会計システムを統一する動きが加速している。親会社と子会社で同一のパッケージを導入し、一貫した科目分類による会計システムを構築することで、リアルタイムな会計情報の共有とグループ内での迅速な意思決定が可能になるのだ。
 また、法律や制度の頻繁な変更やビジネスモデルの見直しにともない、システムも見直しを迫られる。「エンドユーザーの要望は、やはり導入期間の短縮と安定稼動です。当社のパッケージは、ほぼカスタマイズなしに導入できる設計なので、非常に短期間での稼動が可能です。実際、導入決定から運用開始までに要する時間は平均3〜6ヶ月という実績を誇っています」(菅原氏)。システム稼動までの準備期間は、そのままコストに反映される。頻繁な制度の変更に対応するには、手作りのシステムよりも、制度の変更に合わせてバージョンアップされるパッケージをそのまま導入した方が迅速でコストメリットのある対応ができるというわけだ。
 
●C/S環境での安定動作でアイエニウェアの採用を決定
現在、ICS販売の主力製品である「INPACT OPEN21 4u」は、Windowsのプラットフォーム上で動くネットワーク対応型の会計パッケージソフトだ。このパッケージのプラットフォームに、アイエニウェアのSQL Anywhere Studio が採用されている。「初めてオープン化に対応したINPACT OPEN21の時からデータベースエンジンにはSQL Anywhereを使っています」(菅原氏)。採用の決め手は、クライアント/サーバー構成で複数クライアントを接続したときのパフォーマンスの良さだ。開発当初は別のデータベースエンジンの採用を予定していたが、テストの結果、スタンドアロン環境では拘束で動作していたシステムが、複数端末を接続すると動作が遅くなることが判明した。「それまで使用していたオフコン専用機と同じレスポンスで動かなければ、現場のユーザーは納得してくれません。SQL Anywhereは、複数の接続からの命令に最適な資源配分をしてくれるので、複数端末からの並行接続時でも実用可能なレスポンスが実現できました」(菅原氏)。途中まで開発したシステムのデータベースエンジンの変更には、SQLの見直しなど予定外の工数が必要となったが、それでもプラットフォームの変更が不可欠との決断だった。
 現在開発ツールにはCentura Team DeveloperとVisual Basic、Visual Cを採用している。「当社の開発者はSQL Anywhereのシンプルな構造とアプリケーションの組込みエンジンとして使いやすい点を評価しています」(菅原氏)。
 ユーザーは大手企業グループから従業員数十名の企業まで幅広いが、どのユーザーも使いやすさと短期間で稼動する点を高く評価する。「長年の実績とエンドユーザーの声を吸い上げることで使いやすいシステムを作っています。パートナー企業から販売した場合でも、原則としてサポートは当社が行いますので、エンドユーザーからの要望を直接取り込むことができます」(菅原氏)。
 
●専門ベンダーとの協力でよりよいソリューション提供を目指す
今後の会計システム市場はどう変化するのか。菅原氏は「連結決算への対応とASP化がカギ」と見る。複数の子会社を抱えた大企業では、IT部門を独立させてアウトソーシングの形で運用するケースが増えると予想される。グループ企業すべてのデータを一元管理できるため、経営情報の掌握や決算情報の開示が効率化できる。
 また、ERPも、ひとつのパッケージで全領域をカバーする統合型ソリューションだけでなく、専門特化したベンダーのパッケージの組み合わせで構築するジョイント型のシェアが拡大すると見ている。「現在でも、販売管理などの基幹業務はERPシステムを活用し、コアの財務はERPシステムを活用し、コアの財務会計にはICS販売のパッケージを導入したソリューションという提案をされるベンダーもいらっしゃいます」(菅原氏)。ICS販売でも、実力のあるベンダーとアライアンスを組んで、新たなソリューション提案をしていきたい意向だ。
 「会計情報には売上げ、利益というお金の情報しか入っていない。今後は、例えば生産性などの情報を取り込み、人事や総務につながるパッケージも構築していきたい」と菅原氏は語る。企業の経理部門のパートナーとして歩んできたICS販売。財務会計システム専門メーカーとして、今後も市場をリードし続けていくはずだ。
 
 
株式会社ICSパートナーズ 
大阪本社:〒550-0013 大阪市西区新町1-10-2 大阪産業ビル
TEL 06-6533-5536
東京本社:〒105-0004 東京都港区新橋6-1-11 ダヴィンチ御成門
TEL 03-3433-6072
http://www.ics.net
 
会計事務所向け税務会計システムを開発する日本アイシーエスから1980年に分離・独立。「心が伝わる情報管理」をモットーに、一般企業向け財務会計パッケージ「INPACT OPEN 21 4u」の開発・販売・導入支援を行う。
会計業務を熟知した営業とシステムサポート担当者が一体となり、ユーザーの要望を的確に反映させた、実践的で使いやすいシステムを実現している。

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