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小松フォークリフト株式会社
「人と環境にやさしいフォークリフトで21世紀の物流を担う小松リフト」
 2005年 WEDGE 12月号掲載
 
生産現場で、あるいは倉庫で、「ものを運ぶ」物流の仕組みはどんな産業でも基礎になる大事な仕組みだ。小松リフトは、フォークリフト製造販売を軸に、物流機器とIT技術を組み合わせた「物流トータル提案」でお客様の物流現場改善を総合的に提案している。同社の営業活動を支えるのが、全国に展開する販売店と230ヶ所のサービスポイント網だ。小松リフトでは、販売店を支援するため、販売・サービスの売上管理等、日々の業務に欠かせない販売店基幹業務システムを提供している。このシステムのデータベースエンジンとして採用されているのが、アイエニウェアの「SQL Anywhere Studio」である。
 
●環境志向による買替需要で伸びるフォークリフト市場
 
小松フォークリフト株式会社(以下、小松リフト)は、国内市場のシェア20%を占める、第2位のフォークリフトメーカーである。創業当初は小松製作所(コマツ)の子会社としてフォークリフト生産のみを行っていたが、1974年にコマツよりフォークリフト、ショベルローダー部門の営業権を譲り受け、自社の販売網を独自に築いていくことになった。一口にフォークリフトといっても、その需要の内訳は時代とともに変遷している。1970年代の需要は、屋外で使用するエンジン式フォークリフトが中心であったが、電気で動くバッテリ式フォークリフトを使った工場内の物流や出荷など、新たに製造業とその物流を担う運輸・倉庫業を中心とした顧客からのニーズが徐々に増えてきた。また、80年代後半から90年代前半のバブル経済期には、こうした顧客によるストックヤード(一時保管所)への設備投資が拡大した。「バブル経済期には、工場も流通も、『物を貯めて出荷する』のが基本でした。当社でも、巨大な倉庫を省人・省力化するニーズに対応するためのシステム提案に注力していました」(営業本部マーケティング部営業企画グループ原田良一氏)。ところがバブルの崩壊を境に、「ストック」から「フロー」へと物流は大きく変わった。在庫を極力持たない、ジャストインタイムの原則が浸透し、これに伴い環境対応と効率化が要求されるようになった。現在のフォークリフト市場のキーワードは「環境」だ。間もなく施行されるオフロード排ガス規制法や、ISO14001に代表される企業の環境問題への取り組みなど、環境に優しい物流システムが求められる中、バッテリ式フォークリフトやCNG(液化天然ガス)エンジン式フォークリフトなど、低公害車への関心が高まっている。設備更新需要とも重なり、2005年度の国内総需要は8万台規模になる見込みだ。小松リフトでは、こうした環境志向、多様化するニーズへの取り組みの一環として、2000年に世界ナンバーワンのフォークリフトメーカー、ドイツのリンデ社と提携し、全油圧式駆動フォークリフト、小旋回・大容量バッテリ式フォークリフトの取扱を開始した。国産製品では対応が難しいニーズに向けた差別化商品として順調に売上を伸ばしている。
●販売店の基幹業務を統合した新システムを構築
 
小松リフトの販売体制は大きく国内と海外に分けられる。海外は、原則として現地の会社と代理店契約を締結し、技術およびノウハウの提供を行うという方式だ。これに対し、国内は販売店制度をとっており、18社、230のサービスポイントで全国をカバーしている。これらの販売店をサポートするために、小松リフトは販売店基幹業務システムを提供している。小松リフトでは、80年代後半から販売店の業務支援ツールとして、MS-DOSで動作する販売・サービスのシステムを個別に販売店向けに提供していたが、基幹業務を統合した形で新しいシステムを構築することとなり、96年に販売店業務に関係する各部門にIT部門を加えたプロジェクトチームを発足、99年12月より新システムの提供がスタートした。
 
●データベースを拠点で使うためアイエニウェアの同期技術を選択
同社では、販売店基幹システムのデータベースエンジンおよび同期のツールとして、アイエニウェアの「SQL Anywhere Studio」を採用した。96年当時は、拠点のネットワークがまだ整備されておらず、各ポイントの情報は電話回線を使って同期を取る方法が唯一のソリューションだった。「開発者から見ると、アイエニウェアのデータベースは使いやすいですね。特に同期機能のわかりやすさ、データベースのメンテナンスのしやすさを評価しています」(IT推進部 相馬伸一氏)。当初はSQL Anywhere Studioのバージョン5.5を採用、2003年にはージョン8にアップデートしている。システムの運用は、商品追加や法令改正によるプログラムの一斉更新などが必要な場合を除き、原則として各販売店のIT担当者に任せている。システムへの機能追加や改善要望などは、IT担当者を窓口として販売店ごとに取りまとめて本社の各システム責任者に集約し、必要と判断したものからIT推進部と協議しながら対応する。「次々と寄せられる要望に対応するための改善フローを明確にし、人に依存しない改善サイクルを作ることが大切だと考えています」(IT推進部 山本浩太郎氏)。
 
●最大の課題はデータの有効活用
販売店基幹システムのほかにも様々なシステムが稼動しているが、これらは全て販売店基幹システムのデータを共有・活用している。データを共有することで、データ入力の工数を削減すると同時に、各システムデーターのリンクが可能となっている。販売店基幹システムを基軸としたシステム全体のデータをさらに有効に活用するため、この秋、新たなプロジェクトが立ち上がった。プロジェクトでは、各システムのデータを一ヵ所に集約したデータウエアハウスを構築し、ここに格納された膨大なデータを分析するためのBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールと組み合わせることで、現状や問題点、その原因などの「見える化」を実現することを目指す「システムそのものは、ほぼ完成しています。プロジェクトを通じて『見える化』を推進すると同時に、データ解析によって『品質の向上』や『ニーズにマッチした商品の提案』を可能にし、当社のモットである『顧客第一主義』につなげていきたいと考えています」(山本氏)。「国内のフォークリフト市場は成熟しつつも変化しています。また、海外ではまだまだ著しい成長を遂げているのです」と原田氏は語る。ネットワーク化が進み、受発注や購買がネットワーク経由でできるようになっても、物を動かす「物流」の重要性は変わらない。国内にとどまらず海外でのシェア拡大も目指し、次世代の物流システムを担う小松リフトの今後に注目していきたい。
 
 
小松フォークリフト株式会社
〒107-8474 東京都港区赤坂2-3-4
TEL. 03-3224-6522(代)
http://www.lift.co.jp
 
フォークリフトを軸に、各種物流機器から平置管理やフォークネットシステムなどの物流管理システムを総合的に手がける物流総合メーカー。近年では、バッテリフォークリフトをはじめ、世界的に評価の高い独・リンデ社製のエンジン式全油圧駆動フォークリフトなど、環境に配慮した製品に注力し、さらなる世界市場における地位強化を目指している。

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