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株式会社ミロク情報サービス
「自社製品の導入で実現した業務改革 営業力に直結する経理部門の誕生へ」
 2005年 WEDGE 8月号掲載
 
業務改革の推進で一番最初のハードルとなるのは、業務の知識とシステムの知識のバランスが取れたプロジェクト編成の難しさだ。更なる決算の早期化という目標を掲げたミロク情報サービスでは、自社が開発した財務業務の統合システム「MJSLINK財務大将EX」を導入して経理部門の業務改革に取り組んだ。

業務の現場である経理部門が中心となり、営業が自社の経理部をサポートするという試みは、業務改革推進の難しさに直面している企業への明確なアドバイスとなっただけでなく、同社にとっても企業な経験となった。現在、一連の取り組みを通じて蓄積された業務改革のノウハウを広く紹介するセミナーを積極的に展開しており、顧客開拓などビジネスの成果にもつながっている。
 
●決算業務の迅速化と効率化 本格可動までわずか4ヶ月
 
ミロク情報サービス(略称:MJS)は、「MJSLINKシリーズ」などの使いやすい財務・会計パッケージで定評がある。会計事務所を対象とした計算センター受託処理サービスを主な業務として1977年に設立、その後、会計事務所向けの財務専用オフコン開発・販売会社へと業態を変え、1983年には、顧客である会計事務所の顧問先、つまり一般企業向け市場へとビジネスを拡大した。会計事務所からの紹介を通じた顧客企業からは、経理のプロが認めた使いやすいソフトとして高い信頼を得ている。また、大企業へも大手販売代理店を通じて拡販しており、現在では1万数千社にのぼる企業が同社の製品を導入している。
 また最近では、ハードウェアやソフトウェアの販売だけでなく、財務をコアにした業務改革支援サービスと、固定収入につながるコンテンツ事業を積極的に展開している。2001年には会計事務所向けのポータルサイト「TVS」を開設。さらに、昨年秋には一般企業向けビジネスポータル「海」を開設し、長年会計事務所を顧客としてきた財務会計の専門企業ならではのコンテンツ提供に努めている。
 ミロク情報サービスの主力商品のひとつ「MJSLINK財務大将」は、従来の売り切り型のパッケージ販売を見直し、業務改革という視点で企画した製品だ。発売にあたって同社は、自社の経理部門の業務改革に同製品を導入し、その価値を自らで証明してみせた。当時、経理部長としてこの業務改革プロジェクトを統括した内部監査室室長の佐藤幸治氏は「売上高や拠点数から見た当社の規模は、我々のお客様のボリュームゾーンでもあり、同じような悩みを抱えていると考えられます。こうしたお客様には私どもの経験をご紹介することで、何をするためにツールを使うのかという観点から、様々な情報の提供ができます」と語る。自社の経験を生かしたアドバイスは、製品の機能やパフォーマンスを最大限活用してもらうことが狙いだった。
 もちろん、営業支援のためだけに業務改革に取り組んだのではない。自社の業務効率アップのため、トップから二つの課題も掲げられていたのである。一つ目は、世の中がスピードアップしている中、より迅速に決算を報告するための時間短縮だ。同社では、締め日から8営業日かかっていた月次決算の報告を、4営業日にまで短縮するという目標が設定された。そして二つ目は、業務の効率化による経理業務にかかるコストの削減だ。「経理では、照合やチェックといった直接性賛成にはつながりにくい業務は避けられません。こうした業務を効率化し、より生産性の高い業務に人材を再配置することが目的です」(佐藤氏)。
 2003年12月、プロジェクトが動き出した。。翌年4月1日には新システムに切り替え、2004年には3月期の本決算業務は新システムで処理するというタイトなスケジュールだった。
●営業の目で見てムダを指摘 処理の一元化で効率アップ
 
「正直、かなり厳しいオーダーでした」と佐藤氏は振り返る。4ヶ月弱という短い期間で業務の見直しから新システムの導入まで一気に成し遂げた最大の要因は、現場の業務を熟知する経理がリーダーシップをとり、様々な会社の業務コンサルティングの経験を持つ営業と製品コンセプトを深く理解した製品開発部門の協力を得て、全社プロジェクトとして進めたことだ。「営業の視点から見ると、他社と比べてどこがどのように無駄かがよくわかりました。まさに、”灯台下暗し”で、自社のシステムがおろそかになっていたことに気付かされました」(佐藤氏)。経理部門からは、慣れ親しんだ業務プロセスを変えることに不安や反対の声も上がったが、トップ命令ということで理解を得た。
 現状分析によって、三つの問題点が明らかになった。まずは人的作業の重複と非効率な作業時間だ。例えば経費清算は、各支社で手書きの伝票を起こした後、データ入力し、それを本社でチェックし再入力していたため、入力作業が重複し無駄な時間と手間を要していた。これを改善するため、「MJSLINK財務大将EX」のオプションシステムである「MJSLINK財務大将/部署入力Assist」のWeb入力機能を活用して、支社からの入力は直接本社で処理する形に決めた。これに伴い、出納業務を本社に一元化、支社に現金を置かずに銀行口座も集約しただけで、なんと年間数千万円のコストを削減した。
 二つ目は、会計制度や事業構造の見直しによるシステムの複雑化だ。自社で開発したシステムは、サブシステムを付け足しながら機能追加を行ってきたため、決して効率的とは言えなかった。業務の見直しと同時に、経理システムも財務基本システムに集約した。三つめはシステムの問題に起因するものだが、マスター管理の煩雑さだ。サブシステムを廃止し、システムを集約することで、マスターの一元管理を実現した。
 
●月次決算の3日短縮と経理部門の人員削減を実現
今回のプロジェクトの柱となったのが、「財務大将EX」とそのオプションであるWebシステム「部署入力Assist」の導入だ。「財務大将EX」をはじめとする同社製品のデータベースエンジンとして採用されているのがアイエニウェア・ソリューションズのSQL Anywhere Studioである。WindowsとLinuxの両方に対応し、データベースの構造が単純で扱いやすく、特別なチューンナップも不要、そして価格がリーズナブルで、パッケージ開発にあたっての協力的なサポートが採用の決め手となった。データベースエンジンは同社の製品の中ではバックヤードにあたる。その部分はデータベースのプロであるアイエニウェアに任せ、アプリケーション開発に専念したというわけだ。
 新システムの導入で、従来、締め日から8営業日要していた月次決算は5営業日へと3日短縮できた。「新システムを前面導入した2005年度の本決算では、3月期の決算発表を4月末に完了できました。従来の決算発表は5月中旬でしたから、2週間以上の短縮です」(佐藤氏)。また、人員面でも、6名体制だった本社経理部門は、1名少ない5名体制での運用が可能になった。「業務効率化の結果、もっと利益に直結する仕事に関わるために経理部を離れることになったのは私自身でした」と佐藤氏は笑いながら語る。現在開発中の二次システムで、目標の4営業日での月次決算処理も近い将来には実現できそうだ。
 
●モチベーション向上という思わぬ副産物
業務改革の効果は経理部門の業務効率化だけではなかった。2004年の12月から、自社の導入事例を開設するセミナーの講師として、経理部の部長と課長が始めて営業支援の現場に出た。プロジェクトの人選や、役員を説得するための稟議書の書き方まで、同社のノウハウが詰まったセミナーは、多くの既存および潜在顧客の関心を集め、数百万から数千万規模の商談が続々成立している。
 「従来の経理の業務といえば、経営に生かすための数字を出すといっても所詮は事後処理でした。それが今回のプロジェクトにより、目に見える形で会社の業績向上に貢献できたという体験を通じて、経理スタッフのモチベーションが大きくアップしました」と佐藤氏は評価する。自社単体だけではなくグループ企業全体でのキャッシュフローの最大化、経営合理化、シェアードサービスの活用といった課題に、経理部自らが率先して取り組むようになった。「当社のような規模の企業でも、業務改革に成功すれば社員を動かす原動力になることがわかりました」(佐藤氏)。
 業務改革の推進は、プロジェクトメンバーの構成がカギだ。「当社の場合は、経理のプロ、製品開発者、ネットワーク技術者がすべて社内におり、協力体制が作れたからこそ成功したのだと思います。お客様には、この経験を生かして”成功する”体制を提案し、ご要望に応じた支援を提供することがこれからのビジネスだと考えています」と佐藤氏は語る。財務会計パッケージベンダーから、財務を核とした業務改革をサポートするソリューションサポライヤーへ、そして業務改革を成功に導く力強いパートナーとして、ミロク情報サービスは自らの経験を糧に邁進している。

 
 
株式会社ミロク情報サービス
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-29-1
TEL 03-5361-6369 (代)
http://www.mjs.co.jp
 
税理士、公認会計士およびその顧問先企業を主なターゲットとして、財務および経営情報システムのトータルソリューションを提供する。主力製品として、会計事務所向け統合システム「ACELINKシリーズ」、一般企業向け統合システム「MJSLINKシリーズ」などがある。また、会計事務所向けポータルサイト「TVS」や、一般企業向けビジネスポータル「海」など、コンテンツ提供にも注力している。

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