NDソフトウェア株式会社
企画開発室 部長代理 大野 聡氏
販売推進課 課長代理 高橋 仁志氏 |
「多様な要求をカバーするスケーラビリティがいいですね」 |
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●福祉業界の大ヒットソフト「ほのぼの」 |
山形県南陽市に本社を置くNDソフトウェア株式会社は、大手ソフトウェアメーカーの製品と互角の大きなシェアを占める福祉施設業務支援ソフト「ほのぼの」シリーズの開発元として知られる。1990年代から開発を進め、特に1999年、介護保険制度の開始という市場ニーズにいち早く対応して発売された「介護保険版」は、全国2,600の施設・団体に導入された実績を誇る。
同社の顧客は、クライアントが1台だけの小規模な事業所から、20〜30台のネットワークを組んだ大規模な施設までさまざまだ。大野氏は、「お客様の多様なご要望をカバーする上で、アイエニウェアのデータベースが持つスケーラビリティはぴったりでした」と語る。同社では以前からアイエニウェアの開発ツールを利用していたため、開発者にとっても信頼できるブランドであったことに加え、実際の導入にあたっての動作性、拡張性も申し分なかったという。
同社は現在、「SQL Anywhere」のOEM供給を始め、新製品開発のコンサルティングやトレーナーの派遣など、幅広い分野でアイエニウェア社とのパートナーシップを確立している。 |
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●データベースの扱いにも専用の技術者は不要 |
「ほのぼの」シリーズが支持を得た大きな理由は、福祉業務を幅広くカバーする製品ラインナップと、専門の技術者がいなくてもセットアップや管理が行える扱いやすさにある。介護関連の事業を網羅した「介護保険版」と、財務や給与を扱う「基幹業務版」を併用することで、一般的な社会福祉法人の業務をほぼ全域にわたってカバーできる。マウスだけで9割の操作が行える分かりやすさも、忙しい現場の担当者に好評だ。
セットアップの容易さについては、アイエニウェアの軽量・高性能なデータベースが大いに貢献している。ユーザー自身がセッティングして稼働させることができ、運用開始後もデータベース部分を含めて専門の技術者を置く必要がない。ユーザーである福祉施設の負担を軽減すると同時に、サポートが必要な場合は専門のサポート部門が素早くリモート対応する体制も整っており、運用にあたっての不安も感じさせない。「専門の技術者が不要な点で、福祉の現場にある種の『革命』を起こしたと自負しています」と大野氏。
現在、NDソフトウェアの「ほのぼの」シリーズを扱う販売会社は200社以上。全国に販売網を持つ大手企業も少なくない。それだけ、同社のソフトウェアの品質が高く評価されている証拠だ。 |
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●将来は要介護者自身に喜ばれる製品開発を |
介護保険の導入によって、福祉の現場は一気にコンピュータ化が進んだ。市場の成長にともなって、関連するソフトウェア需要もいっそうの増加が見込まれる。例えば、NDソフトウェアでは2003年4月に施行された障害者向けの支援費制度に対応して「障害者施設版 いきいきLife」を発売。障害者施設・障害者団体のみならず、社会福祉協議会なども含めて、新制度への対応を強力に後押しした。
さらに今後、技術が進めば、従来はなかった新たなニーズも生まれるかもしれない。大野氏は「欧米のように予防介護、つまり『寝たきりにしないサービス』という考え方が広がれば、ニーズも変わってくるでしょう。また、お年寄りや障害者の方にもっと使いやすい携帯端末が登場すれば、モバイル関連のニーズも高まるはずです」と展望を語る。
高橋氏も「今はまだ、施設側の業務ニーズに応える製品が中心ですが、今後は介護を必要とする方々にダイレクトに役立つソフトウェア作りを目指したいですね」と自社の将来像を描く。ソフトウェアを通じて介護サービスの本質を考え続けるNDソフトウェア。アイエニウェアのテクノロジーを最大限に活用しつつ、今後もヒット作を生み続けてゆくに違いない。 |